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〜 第2回 可視化技術ワークショップのご報告 〜

主催 特定非営利活動法人 綜合画像研究支援(IIRS)
後援 日本女子大学オープンリサーチセンター(ORC)

バイオイメージング - その動と静 -

去る2005年11月26日(土)に綜合画像研究支援と日本女子大学オープンリサーチセンター(後援)により、ワークショップ『バイオイメージング ─ その動と静 ─ 』を開催いたしましたのでご報告致します。

日  時: 2005年11月26日(土) 14:00〜17:50
会  場: 日本女子大学 80年館851番教室

プログラム

14:00〜14:05  開会の挨拶

 弘前大学農学生命科学部  鮫島 正純

 

・座長 帝人轄\造解析研究所 広瀬治子

14:05〜14:55  高速高感度共焦点レーザー顕微鏡を用いたライブセルイメージング

 東京大学大学院理学系研究科 中野 明彦

14:55〜15:45  動く形態学  ─ バイオイメージングと形態学の出会い ─

 岩手医科大学解剖学第二講座 佐藤 洋一

 

15:45〜16:15  休 憩

 

・座長 千葉大学真菌医学研究センター 山口 正視

16:15〜16:45  加圧凍結技法  ─ よりよい像を得るには ─

 東京大学大学院理学系研究科 中野 明彦

16:45〜17:15  加圧凍結・置換固定法による木材組織形成の観察

 京都大学大学院農学研究科 粟野 達也

17:15〜17:45  総合討論

 

17:45〜17:50  閉会の挨拶

 綜合画像研究支援理事長 大隅 正子

 (敬称略)

 

18:00〜  アカデミックサロン(於、日本女子大学 桜楓館)



第2回ワークショップの前半のまとめと感想

帝人轄\造解析研究所 広瀬治子

NPO綜合画像研究支援第2回ワークショップが、2005年11月26日、目白の日本女子大学80年会館で開催されました。第1回目は冷たい雨の降る寒い一日でしたが、今回は打って変わって、暖かい小春日和の一日でした。雨女の大隅先生に変異が生じたのでしょうか、今後とも快晴の日が続くことを願っております。またどんな講演会も「第2回」というのは、初回に比べて参加者が激減すると言われておりますが、約80名の参加者があり、「バイオイメージング−その動と静−」と題したワークショップが、多くの方の関心ある話題であったことが伺われました。前半は「動」に関する講演で、最初の講演は、東京大学の中野明彦先生に「高速高感度共焦点レーザー顕微鏡を用いたライブセルイメージング」と題してご講演いただきました。産学共同で作られた新しい装置で、光学顕微鏡でありながら50nmの解像度を実現された画像、生きた真核細胞中での小胞の輸送状態を、蛍光を用いて示された動画像は大きな驚きでした。二番目は、岩手医科大学の佐藤洋一先生に「動く形態学−バイオイメージングと形態学の出会い−」と題してご講演をいただきました。色々な生きた組織標本を用いて、カルシウムのイメージングを紹介していただき、標本作りのコツも教えていただきました。精巣の細動脈の血管平滑筋が発情期のメスの尿でのみ反応し、Caイメージングでその反応が可視化できることに驚きました。

また最後のアカデミックサロンには、十分な飲み物と食事が用意されており、講演会場で乾燥したのどを潤すことが出来ました。アカデミックサロンにのみ参加された方もあり、若い人から大先輩まで色々な方のお話を伺って元気をいただきました。また次回も知識とパワーをいただくために講演とサロンの両方に参加したいと思っております。

第2回ワークショップの後半のまとめと感想

千葉大学真菌医学研究センター 山口正視

第2回ワークショップは、11月26日(土)に「バイオイメージング―その動と静―」をテーマとして、日本女子大学において開催されました。当日はお天気も良く、85名の方々に参加していただきました。ワークショップの後半は、日立ハイテクノロジーズの北 重夫氏と京都大学の粟野達也氏に「加圧凍結」について、それぞれ30分づつ講演していただき、その後30分間の討論時間を用意しました。通常、学会の討論時間は5分程度なので、30分間の討論時間では時間を持て余すのではないかと不安もありましたが、当日は多くの参加者からたくさんの質問・コメントが出され、30分を超過してもまだまだ議論が続きそうな熱い雰囲気でした。この雰囲気は、そのまま講演後に開かれた「アカデミックサロン」に引き継がれ、なごやかな雰囲気の中で、いろいろな情報交換がなされました。第1回につづき、第2回ワークショップも、参加人数、講演内容、討論などにおいて成功裏に終了したと思います。

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「第2回可視化技術ワークショップに参加して」という題材にて参加者の方々に感想を頂きました。
(順不同)

ライカマイクロシステムズ(株)電顕試料作製装置部 伊藤喜子

加圧凍結技法に興味があり参加しましたが、思わず、共焦点の最新事情に触れることができ、また、簡単な質問から出来る雰囲気に、活発な質疑応答もあり、それぞれ改めて勉強になりました。
また、興味の加圧凍結技法に関する話題でも、生体材料から植物組織までと、大きく異なる組織からの話題で、よい結果が出ているとのこと。難易度の高く使いこなすのが困難とされていた凍結技法がより身近になり、利用の裾野が広がっている事を実感できました。ただ、折角のIIRSの講演ですので、難しい最新技術への正しい理解を深めるためにも、初心の方向けの基礎講和などを挟んでからという流れになっていたらよかったなと感じました。しかし、テーマから始まり、アカデミックサロンでのざっくばらんな交流までとても有意義な時間を過ごすことができました。次回も是非参加したいと思います、ありがとうございました。

財団法人 脳科学・ライフテクノロジー研究所 吉田 智子

今回の可視化技術ワークショップは生きている状態を見る技術と生きている瞬間を捉えて見る技術という、バイオを視点の異なった方向から解析する面白い話題で大変興味をもたれました。
前半2演題はバイオイメージングを動的に捉える話題で動き回るイメージに興味がわきました。蛍光色素が大変よいものができ、また装置の感度や精度が上がったことから微小なシグナルも捕らえることができるようになり、生体内に発現させた蛍光が生き物のように動き回る様子が『生体の活動』を実感させてくれました。形態学は微細構造を捉えるほかに生体情報をリアルに教えてくれる手法だということを改めて学んだ気がしました。
後半2演題は加圧凍結を主題に生きている瞬間をできるだけ詳細に捉えるための改良が話題で大変勉強になりました。既存の装置をどのように活かすかは使う人の技量にかかることであると思うとバイオイメージングにかかわる者としては改めて勉強しなおす必要を感じました。また、生体の異なった状態を理解して最適の方法を探すことができるのもまた、技術者として必要な知識であると思いました。
今回のワークショップを通じて、バイオイメージングはこれまでの与えられた装置に頼るのではなく、新たな方法を探し改良を行える面白い領域に達しつつあると気付き、柔軟な考えと経験をつむべく日々の努力をしていきたいと思いました。

日立製作所基礎研究所 久田明子

私は就職してから顕微鏡を使った研究を始めましたので、試料作製など技術の習得に関しては、仕事の関係でお会いした先生方と、各種講習会にお世話になってきました。私にとって、もっとも難しいのは、自分の得た画像データを評価することです。まず、試料作製、染色、そして観察方法が適切かという技術面があり、さらに画像から何を読み取るかという学術面があります。どちらについても知識と経験が必要なうえ、定量的に他の人の結果と比較することも容易ではありませんので、助言を頂きたいと思うことがしばしばあります。そのようなときにIIRSの発足を知りまして、学生の立場で勉強をさせていただきたいという願いで、可視化技術ワークショップに参加いたしました。先生方の講演はもちろんのこと、質疑における討論などから、いろいろなことを学んでおります。
今回のワークショップでは、リアルタイムイメージングによって細胞のダイナミクスを4次元的に可視化する、あるいは一瞬で凍結固定することによってダイナミクスの一断面を可視化する、という2種類の切り口からの講演を伺いました。新しい試料作製方法、標識技術とそのための検出装置の開発によって、これまでに見えなかった細胞の姿が見えるようになったという研究の紹介を、大変興味深く聞かせていただきました。また、中野先生の「100以上ものGFP融合たんぱく質を作製してアーティファクトの起こらないものを選んだ」というお話も印象に残り、新しい実験系を確立する際に、結果を評価することの重要性と難しさを感じました。
近年、ゲノム解析やプロテオーム解析に続き、フェノーム解析において、分子の生体内局在を網羅的に可視化するという試みもされています。しかし実際に、時間軸をふくむ多量の画像データを何らかの指標にしたがって比較、分類、あるいは検索できるデータベースを構築するためには、解析技術の開発が必要となっています。その中には、もとのデータを取得する際の最適な試料調整法、標識法、そして検出法を確立し、得られた画像から正しい情報を抽出する技術も含まれると思います。IIRSの活動に参加するなかで、試料調整から始まるさまざまな可視化技術について学ばせて頂けることに、感謝しております。

日本エフイー・アイ アプリケーションラボラトリ 青山一弘

11月26日に行われた第2回可視化技術ワークショップに参加させていただきました。今回のテーマは光学顕微鏡による動的な観察、加圧凍結による試料作成の2点でしたが、2点とも重要かつタイムリーなテーマであり大変興味深く聞かせて頂きました。
普段TEMにしか関わっていないものとして中野先生、佐藤先生のご講演はショッキングともいえるものでした。リアルタイム、三次元、その場観察が可能で、分解能もサブミクロンに達している。しかも染色は機能別に染め分け可能。つまりカラー。その上、時間分解能もあるので、なんとサブミクロン4次元カラー計測!! 分解能のために電子顕微鏡が犠牲にしているものは非常に大きいと痛感させられた御講演でした。(透過型)電子顕微鏡の装置開発が、今後この失われた部分の回復に向かうのは当然の流れでありますし、トモグラフィなどもう既に一部は実現されつつありますが、現在装置メーカーに在籍するものとして大変参考になりました。
加圧凍結技法は(一部に異論も出ましたが)、現状ではもっとも構造保持に優れた手法である事は広く受け入れられていると思います。装置自身の価格、維持費等コストの問題もあり、広く普及しているとまではいえない状況かもしれませんが、それだけに北先生、粟野先生のご講演は大変意義深いものであると思います。私自身の興味としましては、凍結の後、置換、包埋、染色というステップを省いた観察、つまりクライオ法に大きくありまして、その点についての言及があればと少し残念に思いました。次回以降この点についての議論もなされればと思います。
普段あまりなじみのないテーマについてふれられる機会は貴重であると思います。オーガナイザの皆様には感謝いたします。

東京慈恵会医科大学DNA医学研究所・分子細胞生物学研究部 幡場良明

生命科学の研究がハイテク化するにつれ、超微細構造研究技術や観察・測定・解析機器が開発され、その結果様々な生物学的観察や測定解析が可能になってきた為、観察、測定、解析、評価する方法論や技術もハイテク化、専門化されて習熟度が必要となってきた。
これらを向上発展させる為にはまさしく本NPO法人 綜合画像研究支援が掲げている目的すなわち生命科学の可視化技術による研究支援、人材育成、技術向上などを啓発する研究支援活動が合致するといえる。
その事業の一環としての今回の第2回ワークショップ「バイオイメージング ーその動と静 ー 」は 前半2題が最新の共焦点レーザー顕微鏡を駆使して、生きている細胞および組織の動きを経時的にダイナミックに可視化して、それらの機能と形態の相関を見事にクリアカットにした講演で、形態学に携わっている者として非常に興味深くまた新しい情報を入手でき有意義だった。後半の2題は生体時の形態に最も近い状態を維持させる加圧凍結技法の原理手法および応用例の講演で、従来の金属圧着法、浸漬法に比べて硝子様凍結層の深度を格段に向上させ、今まで凍結が難しかった組織にも適用の可能性が出てきて期待が持てる技法である。
講演会後の「アカデミックサロン」では、美酒を嗜みながら参加者一同老若男女に関わらずお互いに醸成された雰囲気のもと和気藹々と交流を深めることができ、大変に有意義なひと時だった。

東京農工大学大学院 共生科学技術研究部 環境資源共生科学部門(環境微生物学)片山葉子

視覚として捉えられることは最も説得力ある情報、と細胞学だったか電子顕微鏡学の講義だったか、日本女子大学に在籍の頃に大隅正子先生からお教えいただいたことを想いだしながら、可視化ワークショップに参加させていただいております。最先端のテクニックを駆使して得られる、動物、植物、微生物など、広く生物学全般を視野に入れた最新の超微構造分野のトピックに接することができ、形態学を専門としてはいないのですが、とても為になる有り難い講演会です。 参加される方の分野を考慮して、講演の中でのイントロダクションにある程度時間を割いていただけると、さらに理解も深まり、さまざまなアイディアにも繋がってゆくのではないかと思います。これからもエネルギッシュな活動を期待しております。

独立行政法人 物質・材料研究機構 溜池 あかね

「可視化技術ワークショップ」・・大学生時代から、大隅先生にまとわりついて迷惑をかけ続けていた私といたしましては、なんとなく硬い響きが先生のイメージと違うなぁと思っておりました。第一回の時は残念ながら参加できなかったため、その誤解は先日まで続いていたのですが・・。
 実際の所、実に興味深く、生き生きとした旬なワークショップでした。中野先生・佐藤先生の「ライブイメージング」についてのお話は、超高速高感度カメラでの細胞内のタンパク質の挙動の映像・組織形態をたもった生標本でのCaのイメージングなど、目で見て・耳で聞いて面白いワクワクするようなご講演でした。後半の北先生・栗野先生の「加圧凍結技法」についてのお話は、電子顕微鏡のより良い像を得るための、経験と情熱・木材という難しい試料についてのお話など、先生方の貴重な経験と情報を分けていただけるお得なご講演でした。ディスカッションも非常に活発で、ワークショップを企画されている先生方や参加なさっている方々の形態学への愛を感じました。
 元々医生物系の私ですが、現在は材料系の研究所に所属しておりますので、生物系の講演を聞く機会は非常に貴重で、楽しみな体験です。次回のワークショップも是非参加させていただかなくては!と思っております。

日立ハイテクノロジーズ 佐藤貢

今回のテーマはバイオイメージング(その動と静)ということで、大変興味深い内容でした。
「動」のテーマでは、分子レベルで動きを捉えようとする「空間的」および「時間的」の両面から分解能を追求する最先端の研究とその成果に強い興味を引かれました。と同時に、この動向は最先端のアプリ分野でハード・ソフト面の両面から技術を推進させる原動力になるのではないかと思いました。走査電子顕微鏡が半導体分野で使われて久しいですが、特に電子線を使った半導体検査分野では空間分解能とスループット(高速性)の両立が課題となっていますので、バイオ分野(特に動的観察)と半導体検査分野の求める方向が一致していることを強く感じました。一方で、ナノテク分野では、例えばカーボンナノチューブ(CNT)の研究で分子の動きを捉える研究がなされていると思いますが、こうした研究分野も、バイオ分野と異なりますが可視化技術という観点での異文化交流としてワークショップの話題にしてもよいのではないかと思いました。 また、「静」のテーマでは、従来技術を伝承してそれをさらに高度化することの重要性を感じました。このテーマでは、「あるがままの美の追求」が大きな推進力になると思います。このテーマに関する発表とその後の活発な質疑・応答の中に、美の追求を強く感じることができました。

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写真集


受付

開会の挨拶をする鮫島正純先生

東京大学大学院理学系研究科

中野明彦先生


岩手医科大学解剖学第二講座

佐藤洋一先生


(株) 日立ハイテクノロジーズ

北 重夫先生


京都大学大学院農学研究科

粟野達也先生


熱心に質問する参加者


会場風景

挨拶する大隅正子理事長
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