お知らせ
<< お知らせ一覧へ戻る

認定NPO法人 第7回 可視化技術ワークショップのご報告

主催: 認定NPO法人 綜合画像研究支援(IIRS)
共催: 日本女子大学バイオイメージングセンター(BIC)
後援: 社団法人日本顕微鏡学会(JSM)

急速に進化する3Dイメージングと3D構築法

去る2010年11月6日(土)に綜合画像研究支援と日本女子大学バイオイメージングセンター(BIC) (共催)、日本顕微鏡学会(JSM)(後援)により、ワークショップ「急速に進化する3Dイメージングと3D構築法」を開催いたしましたのでご報告致します。

日  時: 2010年11月6日(土) 13:00〜19:30
ワークショップ / 13:00〜17:15
アカデミックサロン / 17:30〜19:30
会  場: 日本女子大学八十年館5階 851教室

プログラム


13:00〜13:05 開会挨拶 認定NPO法人 綜合画像研究支援(IIRS)
理事長 大隅 正子
13:05〜13:15 イントロダクション 新潟大学教授・IIRS理事 牛木 辰男
 
座長 牛木 辰男  
 
13:15〜13:55 連続エポン切片を用いた胚や組織の3Dイメージング
  埼玉医科大学医学部解剖学 駒崎 伸二
13:55〜14:35 トモグラフィー法を用いた植物細胞・組織の3D解析
  兵庫県立大学大学院生命理学研究科 峰雪 芳宣
14:35〜15:15 実体顕微鏡・光学顕微鏡の3Dビデオイメージング
  (株)メタコーポレーションジャパン 高沖 英二
15:15〜15:35 休  憩
 
座長 山科 正平  
 
15:35〜16:15 走査電子顕微鏡の3Dイメージング
  新潟大学大学院医歯学総合研究科顕微解剖学 牛木 辰男
16:15〜16:55 各種3D表示方式と液晶モニターの現在
  (株)ナナオ 映像商品開発部 伊藤 広
16:55〜17:15 総合討論
   
17:15〜17:20 閉会挨拶
  日本女子大学 永田 典子
17:30〜19:30 アカデミックサロン 日本女子大学桜楓2号館
(敬称略)

第7回可視化技術ワークショップを終えて

IIRS理事
牛木辰男(新潟大学・大学院・医学総合研究科 顕微解剖学分野)

去る11月6日に、日本女子大学八十年記念館で「急速に進化する3Dイメージングと3D構築法」と題して、第7回可視化技術ワークショップを開催しました。私は、企画側の一人として、また講演者の一人として、このワークショップにかかわらせていただきました。

ところで「3D」という言葉は現在ちょっとしたブームになっていますが、実際には、平面情報から立体像を組み立てる、いわゆる「立体再構築」と、両眼視を可能にする「ステレオイメージング」のことがまぜこぜに使われることが多いようです。それを知りつつも、今回の企画ではあえて、この二つを混ぜ合わせたプログラムを考えました。なぜなら、バイオの分野においてはどちらの「3D」も極めて重要な手法で、いずれも近年のコンピュータ技術や映像技術の進歩で、急速な発展を遂げているからです。

たとえば、「立体再構築」は、以前は光顕や電顕の切片の写真を厚紙などにトレースして、それを何十枚何百枚と実際に重ね合わせて作るという、まさに力技で行ってきたものですが、コンピュータの進歩で、コンピュータグラフィクスとして比較的簡単に表現できるようになってきています。医学の世界においては、CTスキャンの像から簡単に体の各臓器の三次元像を組み立てることができて、それが診断に使われるようになっているわけですから、こうした手法が顕微鏡の分野でも進展していくのは、ある意味では当然と言えるかもしれませんし、これからもっと使われてもよい手法だと思います。

一方、「ステレオイメージング」も古くから知られているものですが、デジタル映像技術の発達や液晶モニタ技術の発達で、いよいよ3Dコンテンツが簡単に作られるようになりました。とくに昨年あたりから、ハリウッドの映画の3D上映が行われたことに伴い、急速に3D熱が高まってきて、テレビでもパソコンでも3D映像が手軽に扱えるようになってきています。この技術も顕微鏡の世界にどんどん活用されていくのではないかと思います。もともと、私たちが認識している世界は3Dなのですから、この分野の発展を大いに期待したいものです。

本ワークショップでは、こうした背景の中で企画されたものですが、ワークショップ終了後の参加者の感想を伺ったところでは、思いのほか好評だったようで、ほっと胸をなでおろしています。皆様のご参加、誠にありがとうございました。

▲ページtopへ
駒崎伸二(埼玉医科大学・医学部・解剖学)

我々の眼から入ってくる情報は、白黒よりもカラー、静止画よりも動画、2Dの平面画像よりも3Dの立体画像のほうが、脳にとってはより刺激的です。最近のパーソナルコンピューターの高性能化や、さまざまな映像技術の発展に伴い、膨大な画像を高速で処理することができるようになりました。そのおかげで、我々は生物の複雑な3Dモデルをコンピューターで作成してそれをリアルタイムで観察したり、リアルな3D映像を自由に操って観察したりすることが容易にできるようになりました。今回の可視化ワークショップは、その一大デモンストレーションの感を受けました。今回のワークショップに参加され、そのデモンストレーションを体感した多くの教育関係者や研究者の方々が、身近になった生物の3Dの世界に興味を持たれて、その技術を生命科学の教育や研究などに活用されることを願っています。

昨今、生命科学分野の若い研究者の間では、電顕を中心とした旧来の形態学に興味を持つ人が少なくなってきたように思えます。その原因の1つとして、形態学的な解析だけでは研究が成り立たなくなってきたことがあります。しかしながら、最近の主流となりつつある遺伝子の機能解析においても、微細形態学的な解析の必要性は増しこそすれ減ることはありません。また、形態学の分野にはマニュアル化できない部分が多く、その解析能力の習得には、前の世代から次の世代への豊富な知識や経験の伝承が必要であります。電顕技術を中心とした形態解析の経験や知の継承が世代間で途絶えようとしている折、NPO法人の総合画像研究支援や日本女子大学のバイオイメージングセンターの皆様が、生物の可視化技術の発展と、その技術を次の世代に継承させるべく活躍されていることに期待いたします。

▲ページtopへ
第7回可視化技術ワークショップ “急速に進化する3Dイメージングと3D構築法”に参加して
峰雪芳宣(兵庫県立大学・大学院・生命理学研究科)

会場で3D眼鏡を使ったプレゼンテーションをみて、学生のとき初めて3D眼鏡を使って聞いたKeith Porter先生のセミナーを思い出しました。ハーバード大学の教授だったPorter先生がコロラド大学に移られ、Cell Biologyの新しい学科を作り、その看板として超高圧電子顕微鏡を作ったのは有名でした。Porter先生たちがその超高圧電子顕微鏡を使って、細胞質に細胞骨格やオルガネラをつなぐ構造“Microtrabecular lattice (JCB 82, 114-139, 1979)”を見つけたと発表し、Porterの構造が本当かアーティファクトか、世界中で大論争が起きている最中のセミナーで、迫力のある3D画像に感激したことを覚えています。セミナー会場に入ると、まず偏光の3D眼鏡を渡されました。2台のプロジェクターで3D画像を調整中で、その画像の調整に使っていた画像がコロラドの超高圧電子顕微鏡の画像でした。鏡筒の中央部に筆で“電子山”と書かれた色紙が置かれており、アメリカの有名な電子顕微鏡に日本語の文字があるのに驚いた記憶があります。この超高圧電子顕微鏡には “電子山”という名前がついており、米国JEOLの方の粋な計らいでこの色紙が飾られていたとのことでした。当時電子顕微鏡を始めて間もない私は、一度はこの電子顕微鏡を使ってみたいと思うようになりました。残念ながら、私が初めて “電子山”を見た時は、Porter先生は退官されており、色紙も取り外されていました。“電子山”も5年程前に引退しましたが、超高圧電子顕微鏡施設は “The Boulder Laboratory For 3-D Electron Microscopy of Cells”と改名し、電子線トモグラフィーのメッカとなっています。“Porterのmicrotrabecular latticeから30年経ち、3Dはどのように進歩したか?”、長年私が自問している問題でしたが、今回のワークショップは、その答えが分かったワークショップだったと感じています。ワークショップでは、3Dを3Dイメージングと3D構築法の二つに分けて整理された事が良かったと思います。3Dに関して漠然と疑問に思っていた事が、皆さんの講演を聴くたびに、一つ一つ分かってきた気がしました。30年前には、3Dで見ても3D画像再構築に時間がかかる、位置の定量的解析はどうするのか、など多くの問題がありました。本シンポジウムでは、リアルタイムでの3D観察とマニピュレーション、3D表示機器の技術的進歩と普及、電子線トモグラフィーなどでの3D画像の定量解析と、3Dは“見せてもらう”時代から、“使って操作して解析する”時代に来たということを実感できたワークショップだったと思います。

▲ページtopへ
第7回可視化技術ワークショップを終えて
伊藤 広(株式会社ナナオ)

本ワークショップにお招きいただき、良い勉強ができたことにまず感謝の意を表します。むしろ、著名な先生が集われる本会におきまして私の講演内容でご満足いただけたかどうか、甚だ心配しているところです。

牛木先生から3Dをやるから最新のステレオ液晶モニターの解説をして欲しいとのご依頼があり、快諾したものの、さて生物・分析系には門外漢の私がどのようにお話しすれば良いか、手探りのまま挑んだ次第です。幸い、先生がプログラムを巧みに組んで下さり、先に駒崎先生、峰雪先生のお話を伺え、「見えない世界を見るため」に先生方が日々努力と工夫されている内容がまさに画像処理技術そのものであることが理解でき、弊社の製品開発とも一脈通じるものを感じました。特に駒崎先生の連続エポン切片による実像Volume Renderingとでも言うべき手法にはものづくりの原点である高度なアナログ技術とデジタル処理の融合が垣間見え、興味深いものがありました。また、メタコーポレーションジャパンによる高品位の3D映像デモンストレーションもあり、3Dモニター開発の現場でもなかなか見ることのできない貴重な映像を拝見することができました。参加いただいた方々にも、3D映像の持つ説得力を感じ取っていただけたのではないかと思います。高沖社長のお話にもありましたが、子供達に科学のすばらしさを体験してもらうためにも3Dコンテンツの開発と表示装置の更なる充実は必須であり、微力ながらご協力できればと思う次第です。

なお、本ワークショップならびにアカデミックサロンを通して多数の先生とお話させていただく機会が得られましたことには、重ねて感謝を申し上げます。今回は私の準備不足もあり3D液晶モニターについては一般的な解説だけとなりましたが、またの機会をいただけるなら各種デモ展示など含め、実映像のすばらしさを体験していただきたいと思います。

末尾となりましたが、大隅先生の叙勲受賞にお祝い申し上げると同時に、先生ならびに認定特定非営利法人「綜合画像研究支援」の今後益々のご活躍を期待いたします。

▲ページtopへ
佐藤 貢 (鞄立ハイテクノロジーズ・研究開発本部・ビームテクノロジーセンター)

今回の第7回可視化技術ワークショップは、3Dイメージングと3D構築法ということで、大変興味深く聴講させていただきました。3D構築技術は形態の3D情報を定量的に精度良く取得できる点に優れており、計測や解析に適した技術と思います。一方、ステレオ法による3Dイメージング技術では、人間の感覚として奥行きを感じられるSEM像が得られます。今回は、ステレオ法の技術について、講演の感想を述べたいと思います。ステレオSEM法は、焦点深度の深いSEMの特長を生かす手法として古くから使われています。一方で、この方法はステレオペア像の取得に手間がかかるのと、観察のリアルタイム性に欠けるため、手軽な方法として普及するに至っていないと思います。こうした状況の中、コンピュータ技術の飛躍的な進歩に加えて、今回の講演にあった3D表示技術やソフトウェアの進歩によって、リアルタイムに観察できる3D-SEMを実現する目処が立ったことは大変すばらしいことだと思います。講演では、ステレオ法に関連する3Dイメージング技術について大変わかりやすくご説明いただき、感動しました。そして、生物のように複雑で神秘的な構造を持つ形態を立体視することの意義を改めて強く感じました。SEM像を平面的な画像ではなく、奥行きを感じる画像として観察することで、人間の脳にインプットされる情報が質的に変化することを実感しました。講演では、奥行きを感じるSEM像で生物試料の視野や倍率の変わる状況を動的に表示するデモンストレーションがありました。一般に、SEM観察では周辺の形状や構造を見ながら目的の視野にたどり着くと思います。もし、この視野探しの過程においてもリアルタイムにミクロの世界を立体視できるとすれば、無限の可能性を秘めた人間の直観力や思考力にも良い影響を与えるのでは?と感じました。

話は変わりますが、子供たちがもっと科学に興味を持つようにと、小学生低学年や幼児向けのSEM観察イベントなどの教育活動が展開されています。こうしたイベントで子供たちの様子を見ると、子供たちはSEM像に映し出されるミクロの世界に目をきらきら輝かせます。このように好奇心旺盛で感受性の高い子供たちに「奥行きを感じるSEM像」をリアルタイムに見せたら、より多くの子供たちの心に火がつくのではないかと思いました。

▲ページtopへ
第7回 可視化技術ワークショップに参加して
布施秋夫(オフィスA・F、元日本電子データム)

この度は、第7回可視化技術ワークショップに参加させて戴き誠に有難うございました。 電子顕微鏡との関わりを離れて5年を経過した私にとっては、先端的な3Dイメージング法と三次元構築法に関するご報告は、その発展と進化に眼を見張らせるものがありました。

折しも、映画、テレビ、携帯と3Dイメージングの波が物凄い勢いで私たちの身の周りに押し寄せて来ていることは承知しておりました。最新技術に弱い私のとっては、何れも自分の物として使用している媒体はありません。テレビなども店頭で偏光メガネを用いたテレビ映像を観たことはありますが、今やメガネを必要としないテレビも開発されていると聞きます。先端技術に疎い素人の私にとっても、今後の進展には興味が湧きます。

この度のワークショップでは、この3Dイメージングの波が顕微鏡の世界にも深く浸透して来ている現実を観させて戴き大きな感動を覚えました。 あたかも画面から飛び出して、観る者に鋭く迫ってくる映像は思はず手を差し伸べて触ってみたい誘惑に駆られました。従来の顕微鏡画像では判断がつき難かった部位についても三次元構築法を用いて3Dイメージング化すれば、幾多の判断情報が得られるとのご報告には、大きな期待がかかります。

関係する研究者の皆様方のご尽力で、3Dイメージングは SEMは勿論のこと、TEM像からも構築されており、これからの進展に益々の興味を覚えます。 幸い、IIRS様でもこの3Dイメージングの技術進展動向を受けて、来年の第8回「可視化技術ワークショップ」でも本題に焦点をあてた企画を推進して戴ける趣で、大きく期待が膨らみます。

「可視化技術ワークショップ」の益々のご発展と、認定NPO法人 綜合画像研究支援 様のご繁栄を祈りつつお礼の言葉とさせていただきます。

▲ページtopへ
第7回 可視化技術ワークショップ「急速に進化する3Dイメージングと3D構築法」に参加して
石川智久(理化学研究所・オミックス基盤研究領域)

ここ最近、液晶モニターやプラズマ画面、有機LEDなどの技術開発の成果が著しく、その結果家庭用テレビモニターにも3次元画像を映し出すことが可能になって来ました。私の家でもエコポイントが無くならないうちに!と、妻に強要されて有機LEDモニターを購入しました。しかし、十分なお金が無かったので、うちのモニターは3次元画像には対応していません。今回、可視化技術ワークショップ「急速に進化する3Dイメージングと3D構築法」に参加して、「目から鱗」が50枚近く落ちました。そして、3次元画像に対応するモニターを購入しておけば良かったかな?とも少し後悔しました。

株式会社メタ・コーポレーション・ジャパンの高沖英二先生の講演と新潟大学大学院医歯学総合研究科の牛木辰男先生の講演は極めて鮮烈で、その独創性に感服いたしました。特に高沖先生に関しては、その風貌から始まって、先生の哲学および技術開発まで全てがユニークで感銘しました。25年前から既に3次元可視化のためのソフトウエアや3次元カメラシステムを開発していたと聞いて、さらに驚きました。高沖先生は、まさに3次元可視化技術の開拓者「元祖」であり、且つそのコンセプトとアプローチのユニークさのために、わが国においてはご苦労されてきたのではないでしょうか。わが国においては独創的な研究やアイデアは最初のうち評価されず、むしろ忌み嫌われることのほうが多いですから。

高沖英二先生と一緒に技術開発をされている牛木辰男先生が紹介された走査電子顕微鏡の3Dイメージ技術は、米国NASAも「喉から手が出る程」欲しい技術ではないでしょうか。かつてヒューストンのNASAスペースセンターのIMAXシアターで初めて火星表面の3次元画像を見たように、走査電子顕微鏡の3Dイメージを見せられて鳥肌が立つほどの感激でした。走査電子顕微鏡イメージは、それ自体が立体的に見えますが、3次元イメージでみることによって、対象物の奥行きが定量的に観察できることが大きな利点と考えられます。素晴らしい技術だと思いました。しかもそれを1台のカメラだけを使って、且つステージを傾けるという発想の転換で実現されたことに感銘いたしました。今後、株式会社ナナオ 映像商品開発部の伊藤広先生の革新的な技術などと組み合わせることによって、電子顕微鏡の3次元イメージ技術は更なる進化を遂げることでしょう。先生方のご苦労と信念に対して心より敬意を表するとともに、これからのご活躍にご期待申し上げます。

▲ページtopへ
石川依久子(理化学研究所・脳科学総合研究センター)

私はもともと藻類屋で、微細藻類のことは他人に譲れないみたいな気負いがありましたけれど、一方では遊び屋で、藻類の美しい写真を撮るとか、あっと驚かせるようなミクロ動画を作ったりする事にときめいていました。 さらに、生物学は四次元(3D+時間)でなくては、“生命”に迫れないと昔から思っていて、30年程前の学会に、「カサノリの4次元解析」という突拍子もないタイトルでポスターを出し、頭が少しおかしくなったかと苦笑されたこともありました。それから30年、その思いはずっと続いてはおりまして、微分干渉顕微鏡を使って奥行きを認め、ビデオカメラを使って経時変化を追い、それで微細藻類の4D(XYZ+T)イメージングに迫っていると思い込んでいました。けれど、コンピューターに弱い私は、本当の3Dイメージングからはすっかり後れを取っていました。微分干渉顕微鏡映像は、二次元でしかありません。Z軸は頭の中の幻覚にすぎないと気がついたのは大分あとになってからです。ことに、微細藻の鞭毛運動の解析を始めてからは、幻覚の三次元では、どうしようもないのです。鞭毛は、三次元で動きます。どうしたら本当の4Dイメージングに到達できるか、それが、課題です。この課題の持つ難しさは次の点にあります。
1.生きた被写体であること。2.ミクロンからナノの世界であること。3.超高速で動いていること(個体の移動は500ミクロン/秒程ですが鞭毛に至っては50−100ヘルツで振動します)。「急速に進化する3Dイメージング技術」が組織や細胞のレベルを超えて、ナノの4Dまで進んで行くことを願っています。

もう一つの問題は、公開もしくは発表の手段です。動画(二次元映像+時間)は、口頭発表の場では大変喜ばれ、聴衆を感動させます。しかし、投稿論文にはならないのです。最近は、雑誌によってはsupplementaryとして、movieをのせることができます。しかし、まだ限られた規定によって思うような動画は載せられませんし、よほどの関心がない限り、読者は動画まで見ません。私は、3D+Tを専門とした「ジャーナル」ができるといいと思っています。論文はonlineで読む時代になってきました。二次元で文字とFig.を見るのではなく、すべて3Dで論文を読み、さらに+Tで論文を理解する科学ジャーナルが出てしかるべきと思います。もちろん、科学論文として高い評価を得る内容であるべきですが。

さらに4Dイメージングがたやすく人々に見せらえるようになったら、広く微小生物の世界を紹介したいとずっと思ってきました。人間の五感ではとらえられない世界が我々の世界と共存していることを知るべきだと思うのです。それは顕微鏡の視野の中でうかがい知ることができるのですが、彼らの行動はあまりに速くて人間の視覚ではついていけません。彼らの形態はあまりに小さくてSEMで死骸を眺めることしかできません。もちろん触覚で察知できるわけもありません。彼らはこの自然界で実にダイナミックに彼らなりの社会生活をしているのです。こういう世界をXYZTでみることができれば、応用面は後回しにしても、人間の哲学が変わってしまうでしょう。

▲ページtopへ
小倉一道(日本電子梶j

ここ数年、ワークショップへのご案内をいただきながら海外出張とぶつかってしまい参加することができませんでしたが、今年は出張などのスケジュールともぶつからなかったためワークショップに参加させていただくことができました。また今回のワークショップのテーマが今旬の「3Dイメージングと3D構築法」でしたので、全ての講演を非常に興味深く聴かせていただくことができました。私自身もSEMを長年やってきましたが、「得られたSEM画像が持つ試料表面の形態情報をいかに正確に伝えるか?」の重要性を強く認識しています。お客様のためのデータを取得するときには多くのステレオ写真を撮影したものです。ただし一組のステレオ写真は静的なものであるのに対して、今回のワークショップでは動的な3D構築法やそれをプレゼンテーションするための3Dイメージング技術が紹介された上に、スクリーン上で迫力ある3D画像が多く映し出され、その画像の美しさに圧倒されました。今後様々な顕微技法におけるより進化した3Dイメージング技術の確立に加えて、3D画像情報の数値化に期待がつのります。

最後になりましたが、大隅先生や牛木先生はじめ多くの皆様とお会いできたこと非常にうれしかったです。また大隅先生の瑞宝中綬章心からお祝い申し上げます。

▲ページtopへ

写真集

開会の挨拶をする大隅正子理事長

イントロダクション・前半座長をされた
新潟大学教授・IIRS理事 牛木 辰男先生

埼玉医科大学医学部解剖学 駒崎 伸二先生

兵庫県立大学大学院生命理学研究科 峰雪 芳宣先生

(株)メタコーポレーションジャパン 高沖 英二先生

IIRS理事 山科正平先生

新潟大学大学院医歯学総合研究科
顕微解剖学 牛木 辰男先生

(株)ナナオ 映像商品開発部 伊藤 広先生

当日使用した3D映写機

3Dメガネを掛け見入る参加者

閉会挨拶 日本女子大学 永田 典子先生

演者と座長の方々

▲ページtopへ
<< お知らせ一覧へ戻る