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次世代クライオ電顕法と超分子空間構造解析研究会のご報告
The report of “Direction of future in biological electron microscopy”

去る2012年2月17日(金)に名古屋大学エコトピア研究所臼倉研究室および綜合画像研究支援のオーガナイズにより、『次世代クライオ電顕法と超分子空間構造解析研究会 “Direction of future in biological electron microscopy”』を開催いたしましたので、ご報告致します。

日  時 2012年2月17日(金)13:20〜17:00
場  所 東京大学本郷キャンパス浅野地区内 武田先端知ビル5F 武田ホール

プログラム

1. 13:20〜13:30 Jiro Usukura Nagoya University
  Opening Remarks: What is revealed by recent advance in biological electron microscopy using cryo-techniques.
2. 13:30〜14:25 Peter J.Peters Netherland Cancer Institute.(NKI-AVL)
  Perspectives on electron cryo-tomography of vitreous cryo-sections.
3. 14:25〜15:20 Carmen Lopez-Igrecias University of Barcelona
  Approaching the native state: cryo-sectioning and related techniques in electron cryo-microscopy
  15:20〜15:50 Intermission (企業展示)
4. 15:50〜16:20 Akihiro Narita Nagoya University
  Structural analysis of the actin filament network in the cell.
5. 16:20〜16:50 John E Heuser Kyoto University
  EM of membrane/cytoskeletal interactions-problems and pitfalls.

「次世代クライオ電顕法と超分子空間構造解析研究会」に参加して

産業技術総合研究所バイオメディシナル情報研究センター 光岡薫

名古屋大学エコトピア科学研究所 臼倉研究室と認定特定非営利活動法人 綜合画像研究支援が主催する「次世代クライオ電顕法と超分子空間構造解析研究会」が2月17日に東京大学武田ホールで開催され、私は講演を聴かせていただく機会を得ました。そこで、ここでは、その研究会での講演に関する私の印象や考えたことを簡単に紹介したいと思います。

まず、臼倉先生の開会の挨拶として、クライオ技術を利用した電子顕微鏡法の今後に関する期待が話され、それに続いて、Peter J. Peters博士の講演が始まりました。Peters博士はまず、Tokuyasu法を用いた、抗体ラベルによるクライオ切片観察の話をされました。その方法を用いて、より良い電顕試料作製のための装置開発として、水溶液表面での解凍時の切片の変形を最小に抑えるため、切片が解凍後すぐにグリッドに吸着できるようにする装置が紹介されました。そして、Mycobacteriaの感染細胞中の局在を明らかにする応用の話の後、電荷を利用したクライオ切片のグリッドへの回収装置と、クライオミクロトーム環境をコントロールするチャンバー開発の話がありました。このような多くの開発の結果、クライオ切片作製が容易になっていることが感じられ、良い成果を得るための地道な改良の重要性を改めて認識しました。

次は、Carmen Lopez-Igrecias博士の話で、まずvitrobotを用いたbicelleやリポソーム観察の結果が紹介されました。私は今、膜タンパク質を再構成したbicelleやリポソームを構造解析に利用できないか検討しているので、この話は参考になりました。また、高圧凍結と凍結置換法を利用した、南極由来の耐寒性の細菌Pseudoalteromonas antarcticaの観察例の話がありました。そして、最後に密閉した容器中に試料を入れて、凍結時の溶液の膨張により高圧を実現するSelf-pressurized rapid freezingが紹介されました。

休憩後は成田先生の講演で、アクチンフィラメントに関する研究の紹介がありました。一つはberbed endに結合したcapping proteinを含む構造解析で、もう一つはアクチンフィラメントのpointed end の構造解析の例でした。それぞれ、構造からその機能を説明するモデルを構築した例で、大変興味深く聞くことができました。そして、最後に、John E Heuser教授による膜と細胞質との相互作用に関係する明瞭な電子顕微鏡像が多く紹介され、そのステレオ画像を堪能しました。

最後の臼倉先生の閉会挨拶にもありましたが、クライオ技術の未来を感じることができる研究会だったと思います。私は、残念ながらクライオ切片に関連した研究をしたことがないのですが、その専門外のクライオ切片技術の最先端を知ることができ、これからの研究への参考になったと思います。特に、細胞レベルのクライオ電顕法では、ラベルの問題は重要だと思いますので、抗体ラベルを用いたクライオ切片観察は、日本でもより研究が盛んになると良いと感じました。

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写真集

開会の挨拶をされる臼倉先生

講演されるPeters先生

講演されるLopez-Igrecias先生

後半の司会をされる宮澤先生

講演中の成田先生

講演中のHeuser先生

質問する光岡先生

質問する片山先生

質問中の酒井先生

熱心な質疑応答がされました

附設展示の様子 その1

附設展示の様子 その2

附設展示の様子 その3

 
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