お知らせ
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IIRSセミナー、サイエンスカフェのご報告

去る2012年6月16日(土)に第9回総会に先立ち、日本電子株式会社 須賀三雄様講演によるIIRS(綜合画像研究支援)セミナーが開催いたしました。また、総会後には、株式会社日立ハイテクノロジーズ 多持隆一郎様講演によるIIRS(綜合画像研究支援)サイエンスカフェが開催いたしましたのでご報告いたします。

日  時 2012年6月16日(土)
IIRSセミナー 13:00〜14:00
企業展示供覧 14:00〜18:30
IIRSサイエンスカフェ 16:00〜17:00
IIRSアカデミックサロン 17:00〜18:30
会  場 東京大学 武田ホール(本郷キャンパス 浅野地区 武田先端知ビル5階)

〜第8回IIRSセミナー (共催:日本女子大学BIC) 13:00〜14:00〜

「大気圧走査電子顕微鏡 JASM-6200」

講 師: 日本電子株式会社 経営戦略室
主査 須賀 三雄

〜第7回IIRSサイエンスカフェ (共催:日本女子大学BIC) 16:00〜17:00〜

「イオン液体の電子顕微鏡応用」

講 師: 株式会社日立ハイテクノロジーズ グローバルアプリケーションセンター
センター長 多持 隆一郎

※タイトル部分をクリックしていただくとPDFデータにて論文がご覧いただけます。

併  設 : 賛助企業展示

日本電子(株)、(株)日立ハイテクノロジーズ、日本エフイー・アイ(株)、 ライカマイクロシステムズ(株)  順不同

IIRSセミナー・サイエンスカフェ・アカデミックサロンに参加した感想

須賀三雄(日本電子株式会社 経営戦略室 戦略企画部兼商品企画室 兼SM事業ユニット技術部)

IIRSセミナーでは、新たに開発した大気圧走査電子顕微鏡についてのお話をさせていただくことができました。大隅先生をはじめとして、関係の先生方のおかげです。感謝いたします。大気圧走査電子顕微鏡は、大気圧下の液体や気体中を観察できるSEMです。大気に開放された試料室を有しており、生体試料は脱水・乾燥なしで観察をすることができますが、まだ開発したての技術なため、どのように使って良いのかわからない部分が多くあります。先生方のご指導をよろしくお願いします。

サイエンスカフェでは、日立ハイテクノロジーズの多持氏よりイオン液体の電子顕微鏡応用についてのお話を伺うことができました。新たな可能性を詳細にご説明いただき、大変勉強になりました。

アカデミックサロンでは、実際に生体試料を観察されている多くの先生方とお話をさせていただくことにより、3次元的な情報取得の重要性を始めとして、様々なニーズについて教えていただくことができました。IIRSは、顕微鏡の開発者とユーザーを結ぶ貴重な架け橋であると感じました。

顕微鏡の分野では、電子顕微鏡の収差補正技術や光学顕微鏡の超解像技術などの極めて重要な開発が、欧米のグループによりなされています。日本も彼らに負けないように、がんばっていきたいと思います。産学官の連携がキーになると考えております。今後とも、どうぞよろしくお願いします。

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第7回IIRSサイエンスカフェでの講演を終えて

多持(たもち)隆一郎(鞄立ハイテクノロジーズ モノづくり統括本部那珂地区生産本部グローバルアプリケ-ションセンタ)

この度は、第7回IIRSサイエンスカフェにて「イオン液体の電子顕微鏡応用」と題して講演の機会を与えていただきましたこと、関係各位に深く感謝いたします。今回は、イオン液体が電子顕微鏡に応用された経緯から、現在、日立ハイテクで行っている応用を紹介いたしました。講演後には、多くの質問を頂き、イオン液体に関する興味の高さを実感することができました。イオン液体に関しては、電子顕微鏡観察に適した成分の検討、高分解能観察への適用など、まだ多くの課題が残っています。しかし、真空中で液体状態を保持でき、導電性があることが大きな魅力であり、この特性を活かした新しい分野での応用を継続して行ってまいります。また、今回の講演では多くの方より質問、コメントを頂き、我々が気付かなかった内容も多く、今後の研究に良いアドバイスを頂きました。我々メーカーが行うセミナーでは一方的に情報を提供することで終了することが多いのですが、サイエンスカフェでは双方向で議論が行え、有意義な時間を過ごすことができました。この様な機会を与えていただきましたこと感謝いたします。イオン液体の研究成果に関しては、日本顕微鏡学会などを通じて発信してまいりますので、今後も忌憚のないご意見、コメントをお願い申し上げます。

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IIRSセミナー・サイエンスカフェに参加した感想

國廣桂子(帝人梶@構造解析研究所)

私は電子顕微鏡を扱い始めて数か月の新米であり、IIRSセミナー及びサイエンスカフェにも今回初めて参加致しました。イベント全体を通じ、良い時代に電顕に関わる機会を得たと改めて感じました。機器や前処理などの新技術の数々、コンピューターの進化による操作の簡便化などは、取っ付き難さを忘れさせてくれます。ただし、操作がブラックボックス化する懸念もあります。これを防ぎ、応用力や解析力を身に着けていくためには、今回のような講演の拝聴や諸先生方との交流は、非常に有意義な機会でした。セミナーでは大気圧SEMの紹介があり、観察試料スペースが従来のSEMとも低真空SEMとも異なり解放系であることに驚きました。電子線を用いることは変わらないので、生物試料へのダメージを完全には無くせないとのことでしたが、試料スペースが解放系であるため光学顕微鏡で生体反応を観察しながらある瞬間をSEMで観察したり、材料の水や薬剤添加時の反応や液中での挙動をリアルタイムに観察できたりといったことを、SEMの分解能で行える新しいものでした。サイエンスカフェではイオン液体の電子顕微鏡への応用がテーマであり、イオン液体というと反応溶媒とのイメージがあった私にはこちらも興味深い講演でした。確かにイオン液体は蒸気圧がほとんど無く、イオン電導性を有することから電顕試料の前処理剤としての特性を備えております。個々の観察試料とイオン液体との相性などの検討が必要になってくるとは思いますが、これからの発展が楽しみです。

改めてこのような機会をご提供して下さった大隅先生や講師の先生方をはじめ、多くの諸先生方に厚く御礼申し上げます。

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IIRSセミナー感想

筒井大貴(名古屋大学大学院 理学研究科生命理学専攻 博士後期課程2年)

先日のIIRSセミナーでは、日本電子の大気圧走査電子顕微鏡(ASEM)を中心として各企業の電子顕微鏡とその関連製品について大変興味深いお話を聞くことができました。

ASEMは大気圧条件下の試料を簡便に観察することができるとのことで、電顕観察というと何ステップもの前処理をしたのちに真空条件下で観察するものだと思っていた私には目からうろこの内容でした。大気圧条件下での観察が可能ということは、ディッシュで培養した細胞を容易に観察することができ、薬剤添加といった操作も観察中に行なえるということで、講演を聞きながら自分自身の実験系にどう応用できるかといった想像を膨らませることもできました。同じ視野を光学顕微鏡と電顕で交互に観察可能であることも、非常に実用的であると感じました。また、最も驚かされたのは、粒子動態の動画でした。ASEMでは従来の電顕とは違って溶液中の粒子の観察が可能なために、粒子のブラウン運動や最密構造に整列していく様子をリアルタイムで観察できるとのことで、生物学だけでなく化学や物理学の分野でも、今までは観ることのできなかったものが次々と可視化されていく予感に興奮しました。

セミナー後の企業展示ブースでも、興味魅かれる製品に触れることができました。卓上走査電子顕微鏡(JCM-6000, 日本電子)はタッチパネル式になっていて時代を感じるとともに、小型で操作も簡便で魅力的でした。このように小型で直観的に操作ができる製品は学生も親しみやすく、教育目的での利用に最適だと思います。日立ハイテクノロジーズのブースでは観察したサンプルを3Dメガネで立体的に捉えることができるシステムも展示されており、立体感を掴みづらいために従来では難しかった顕微操作の助けになる、有用な技術だと感じました。他にも各社が多様な製品を紹介しており、どの担当の方も懇切丁寧に説明してくださいました。電顕について不勉強な私の初歩的な質問にもひとつひとつ答えていただき、大変勉強になりました。サイエンスカフェには所用のために出席できなかったのですが、近年注目を浴びているイオン液体の電顕への応用とのことで、アトラクティブなセミナーだったと想像します。

今回のセミナーに出席させていただいて、電顕の分野で今どういったことが展開されているのかを垣間見ることができました。自分の研究で対象物の可視化が必要なときの選択肢を広げることもでき、刺激的で有意義な時間を過ごすことができました。最後になりましたが、本セミナーをご紹介くださったIIRSの大隅先生ならびに御講演の先生方、企業の担当の方々に、この場を借りて御礼を申し上げます。

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IIRSセミナー・サイエンスカフェに参加して

山田博之(公益財団法人結核予防会結核研究所抗酸菌レファレンス部主任研究員)

IIRSセミナー、サイエンスカフェは、それぞれ、2005年7月、2006年7月に第1回が開催されてから、毎年新しいトピックスをその分野の第一人者の先生方に提供して頂き、今年でそれぞれ8回目と7回目を迎えています。これまで開催されたほとんどの演題を拝聴させて頂き、第3回のサイエンスカフェでは私自身発表の機会を与えて頂きました。

今年度のセミナーでは新しく開発された日本電子の須賀様により「大気圧走査電子顕微鏡」が紹介されました。この『大気圧走査電子顕微鏡』は、倒立された走査電子顕微鏡の鏡体の上に観察対象である細胞・細菌を培養できる窒化ケイ素膜を張った小型シャーレを積載でき、膜上で培養された観察対象物の超微細構造を反射電子像で走査電子顕微鏡観察できます。さらに、培養シャーレの上は大気圧で、光学(蛍光)顕微鏡が装着できるため、抗体等で標識された細胞構成成分、蛋白質の局在を光学顕微鏡で観察するのと同時に走査電子顕微鏡でその微細構造・構築をより詳細に調べる事が可能です。これらの手法は、まさに光顕・電顕の相関(CLEM; Correlative Light-Electron Microscopy)であり、「大気圧走査電子顕微鏡」はCLEMを実現する顕微鏡複合体といえます。

また、サイエンスカフェでは日立ハイテクノロジーズの多持様から「イオン液体の電子顕微鏡応用」が紹介されました。極めて蒸発圧が低いイオン液体で処理したサンプルは、通常の走査電子顕微鏡用試料調製で不可欠な脱水、置換、蒸着の過程を必要とせず、グルタルアルデヒド固定後、最適濃度のイオン液体で置換すると、乾燥せずに一般的な走査電子顕微鏡試料室に装着してそのまま観察可能です。イオン液体自体に導電性と接着性があるため、微細なサンプルを特別な接着処理無しで試料台に積載できるとの事です。このイオン液体を使うもう一つの利点は、遠心操作を省略できる事だと感じました。多くの夾雑物を含む試料を処理のたびに遠心・懸濁を繰り返すと、最終的に観察したい試料が夾雑物に埋もれてしまう可能性がありますが、イオン液体で置換する際、単に懸濁するだけであれば試料が埋没してしまうことを危惧する事なく処理できるように感じました。

私自身の研究対象が細菌ですが、光学顕微鏡レベルでの情報だけでは様々な現象を説明する事は不可能です。今回のセミナーおよびサイエンスカフェで紹介された新しい装置や手法が、将来、細菌を対象とした研究に新しい展開を与える可能は大きく、大変興味深く聞く事ができました。

講演会後のアカデミックサロンでは、講師を含めた電子顕微鏡及び関連製品を製造・販売する賛助企業の方々と参加者の皆さんがフランクに活発なディスカッションをされ、貴重な機会であったと思いました。

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写真集

第7回IIRSセミナー写真集

受付風景

幡場研究評価センター長の司会で進行

会場風景

日本電子株式会社経営戦略室主査 須賀 三雄先生

熱心に質問する参加者

株式会社日立ハイテクノロジーズ グローバルアプリケーションセンター センター長 多持 隆一郎様

質問する大隅理事長

賛助企業展示

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