お知らせ
<< お知らせ一覧へ戻る

日本植物学会第80回大会シンポジウムのご報告
多様な植物現象を理解するためのイメージング:
細胞内構造から環境応答まで

去る2016年9月16日(金)日本植物学会第80回大会シンポジウムにおいて日本植物形態学会、綜合画像研究支援、新学術領域研究「環境記憶統合」の共催によりシンポジウムを開催しましたのでご報告致します。

日 時 平成28年9月16日(金) 9:30〜12:30
場 所 沖縄コンベンションセンター(沖縄県宜野湾市)
主 催 日本植物学会
共 催 日本植物形態学会、認定NPO法人 綜合画像研究支援(NPO IIRS)、
新学術領域研究「環境記憶統合」
オーガナイザー 金岡雅浩 (名古屋大学)、植田美那子 (名古屋大学)

プログラム

(敬称略)

9:30〜9:35  
はじめに
植田美那子 (名古屋大学・大学院理学研究科、 名古屋大学・トランスフォーマティブ生命分子研究所)
09:35 - 10:00 1aSA01
クロマチン・ライブイメージングへの挑戦
松永幸大 , 藤本聡 , 平川健 , 栗田和貴 , 坂本卓也 (東京理科大学・大学院理工学研究科)
10:00 - 10:25 1aSA02
植物細胞壁の分解を分子レベルで見たい
五十嵐圭日子 (東京大学・大学院農学生命科学科)
10:25 - 10:50 1aSA03
細胞動態を理解するための画像解析とモデル解析
桧垣匠 (東京大学・大学院新領域創成科学研究科)
10:50 - 11:00 休憩
11:00 - 11:25 1aSA04
植物受精卵のライブイメージング:細胞極性とは何か?
木全祐資1、桧垣匠2、河島友和3、栗原大輔1,4、佐藤良勝5、山田朋美1,5、馳澤盛一郎2、Frederic Berger3、東山哲也1,4,5、植田美那子1,5
(1名古屋大学・大学院理学研究科、2東京大学・大学院新領域創成科学研究科、3Gregor Mendel Institute、4名古屋大学・JST-ERATO、5名古屋大学・トランスフォーマティブ生命分子研究所)
11:25 - 11:50 1aSA05
フロリゲンが植物に環境の記憶を刻みこむ過程のイメージング
辻寛之1、藤田亜希子2、藤本優3、黒川量雄4、中野明彦4、5、島本功2
(1横浜市立大学・木原生物学研究所、2奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス研究科、3東京大学・大学院農学生命科学研究科、4理化学研究所・光量子工学研究領域、5東京大学・大学院理学系研究科)
11:50 - 12:15 1aSA06
ストリゴラクトン受容の可視化蛍光プローブ
吉村柾彦1、土屋雄一朗2、佐藤良勝2、佐藤綾人2、桑田啓子2、伊丹健一郎1、2、3、木下俊則1、2、萩原伸也2、4
(1名古屋大学・大学院理学研究科、2名古屋大学・トランスフォーマティブ生命分子研究所、3名古屋大学・JST-ERATO、4JST-さきがけ)
12:15 - 12:30 総合討論
金岡雅浩 (名古屋大学・大学院理学研究科)

日本植物学会第80回大会シンポジウム「多様な植物現象を理解するためのイメージング:細胞内構造から環境応答まで」のご報告
金岡雅浩・植田美那子(名古屋大学)

植物の発生や生理的変化、さらには環境への応答などの多様な植物現象を理解するうえで、細胞内の構造や分子の動態を調べることは大きな意味をもちます。本シンポジウムでは、最新のイメージング技術を駆使して植物現象に迫った具体例として、特定分子を可視化するための様々な技術や、組織深部まで観察するためのライブイメージング法、得られた画像から定量的にデータを抽出する手法などの最新技法と、それにより明らかとなってきた植物現象の制御メカニズムを、各分野で最先端の研究をおこなっている研究者の方々に紹介していただくことを目的に企画しました。

シンポジウムの前半では植物の生理現象を解明するための新規イメージング手法や、イメージングで得られた画像の解析方法について講演をお願いしました。松永先生には、特定のDNA塩基配列を認識するプローブをデザインすることで、一遺伝子レベルでのクロマチン動態の観察にチャレンジするという、興味深い手法について紹介していただきました。五十嵐先生には、植物細胞壁が分解される様子を、分解酵素1分子のレベルでのライブイメージングや構造生物学的知見も併せて講演していただきました。桧垣先生には、植物の顕微鏡観察で得られた画像から定量的なデータを抽出する方法について具体例とともに講演していただきました。

後半ではイメージングを通じて組織レベルの生理現象の解明に迫る研究について紹介していただきました。植田先生には、卵細胞の受精後、受精卵が非対称分裂するまでの過程で、細胞内のオルガネラや細胞骨格が見せるダイナミックな動きとその制御メカニズムについて講演していただきました。辻先生にはフロリゲンであるHd3aタンパク質の植物個体内での移動とそれを制御する要因について講演していただきました。最後の演者の吉村先生は演者の中で唯一の大学院生でした(博士後期課程2年)。吉村先生は有機合成化学者で、化学者の視点で見た植物ホルモン・ストリゴラクトンの構造とそれを可視化するためのプローブの開発、そして可視化プローブを用いて明らかになった、寄生植物ストライガがストリゴラクトンを受容して発根する様子について講演していただきました。最後に総合討論として各演者の先生方への質問を会場から募りました。総合討論だけでなく、講演ごとに多くの質問がでて、参加者の皆様との間で大変有意義なディスカッションができたと思います。

本シンポジウムは大会初日の午前9:30からという早い時間帯でしたが、約200人以上の参加があり、盛況のうちに終えることができました。

本シンポジウムの講演内容に関しては、日本植物形態学会が発行するPlant Morphology誌のVol. 29 (2017年5月刊行予定)において、演者の先生方にミニレビューを執筆して頂く予定ですので、ご期待ください。最後になりましたが、本シンポジウムの講演を快くお引き受けくださいました先生方に深く感謝いたします。

集合写真

左より、五十嵐圭日子先生、辻 寛之先生、植田美那子オーガナイザー、
吉村柾彦先生、桧垣 匠先生、松永幸大先生、金岡雅浩オーガナイザー

  • 松永幸大先生松永幸大先生
  • 五十嵐圭日子先生五十嵐圭日子先生
  • 桧垣 匠先生桧垣 匠先生
  • 植田美那子オーガナイザー植田美那子オーガナイザー
  • 辻寛之先生辻寛之先生
  • 吉村柾彦先生吉村柾彦先生
会場の様子

会場の様子

▲ページtopへ
<< お知らせ一覧へ戻る